この記事の執筆者
パーソナルフィットネストレーナー
向井 ひろみ
フィットネストレーナー歴17年。2021年まで大手フィットネスクラブでパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、フィットネスマネージャーとして勤務後パーソナルトレーナーとして独立。「継続に勝る効果的な運動なし」がモットー。最も効果的な運動ではなくそのお客様が継続できる範囲で最も効果的な運動をご案内することに拘りをもつ。現在は継続率80%超えのパーソナルトレーナーとして自由が丘、川崎にてパーソナルスタジオを運営。
年齢を重ねるごとに「最近息が上がりやすくなったなあ」「すぐに疲れてしまうなあ」と感じるようになっていませんか?
そしてそれが「最近急にきたなあ」と思うことはありませんか?
この記事では急に体力が落ちたと感じる理由とその解消方法を、歴17年のパーソナルトレーナーが解説します。
この記事を読むことで年齢を重ねて体力が低下するどころか向上させられるようになります。
体力が向上すると仕事のパフォーマンスが上がったり、休日の過ごし方の選択肢が広がったりと人生を豊かにできるので、是非最後までお読みください。
急に体力が落ちたと感じるのはなぜ?
結論からお話すると、急に体力が落ちるのは
体力を急に使わなくなったから
です。
皆さんは、どういったときに体力が落ちたと感じますか?
- 信号が変わりそうなときにちょっと走っただけで息が上がりやすくなった
- 階段を1階から2階まで昇っただけで脚の筋肉が疲れた
- 週末の休みは仕事の疲れが抜けきれなくて外に出掛けられない
というように例はいろいろありますが、この
- 息が上がる
- 筋肉が疲れる
- 疲労が抜けない
となった状態のときに「体力が落ちた」と感じるのではないでしょうか?
このような状態になるときは、体力の中でも
- 全身持久力(息が上がりすぎずに動き続ける体力)
- 筋持久力(筋肉が疲労しないで動き続ける体力)
の2つが低下していると考えられます。
この章の冒頭でお話ししましたが、体力は使わなくなると低下します。
つまり、息が上がるようなことや筋肉が疲れるようなことをしなくなると低下するのです。
よくあるのは
- リモート勤務でほとんど身体を動かさなくなった
- 転職して電車通勤から車通勤に変えた
- 部署が変わって営業から内勤になった
というように日常生活が大きく変化したときに体力の低下を感じる人が多いです。
でもご安心ください。そのような人は
自ら体力を使うことをすることで体力の低下を防ぎ、向上させることができます。
何歳で感じる方が多い?
年齢を重ねると体力の低下を感じるという人は多いですが、先ほどお話しした通り体力は向上させようと思えば何歳になっても向上させることはできます。
筆者は趣味でマラソンをしますが、どう見ても70代以上に見えるのランナーに追い抜かされることも珍しくありません
とはいえ、「〇代になると急に体力が落ちたと感じる」という声はよく聞きます。
そしてそれは
- 20代
- 50代
に多いように感じます。
なぜ20代と50代で体力の低下を感じるのでしょうか。
20代は学生から社会人に切り替わる人が多いです。特に学生時代に運動系の部活やサークルに打ち込んでいたという人は練習などで当然体力を使います。
しかし、社会人になると仕事が忙しくなりその運動をやめてしまったり頻度が落ちたりします。
そうすると一気に体力を使う頻度が減るため、急に体力が落ちたと感じる人が多いのではと推測できます。
50代に関しては、20代から始まる筋肉量の低下が徐々に進んだ影響で身体を動かす力が低下し体力が落ちたと感じる人が多いと考えられます。
これは20代からの生活習慣で筋肉量を減らさないように努めていれば感じないようにすることも十分可能です。
あくまで多くの人の生活習慣の傾向的に20代と50代で急に体力が落ちたと感じる人が多いだけであって、必ずこの年代で体力の低下が訪れるわけではありません。
この後お話しする体力低下に対する対処法を続けていれば生活に支障が出るほど体力が落ちたと感じることは防げます。
SNSでの実際の声
年齢を重ねることにより急に体力が落ちたと感じる人はいるのでしょうか?
SNSの声を見ていきましょう
ちなみにそれまでスポーツをやってた人が社会人になって急に体力落ちたと感じたり、部活やってた受験生が大学入って体力落ちたと感じるのは、老化ではなくてただ運動不足で筋力が落ちてるだけです。使わなかったらそりゃあ筋力も筋持久力も落ちます。
しっかり維持してればそんな年齢にピークはない!— 星潤@S&D/LiBRA/ミュージカル作ってます (@JUN_star_HOSHI) February 1, 2020
急に体力も落ちたし、年齢的に体が変わるときだよ、とは周りに言われるんだけどさ。
そうだね、無理できない年齢になってきた気がするよ。— あいぺん円卓P (@toysoldier40102) June 26, 2018
ありがとうございます
40になった時も体力落ちたな〜とか、白髪が出始めたな〜と年齢を感じたけれど、50はさらに…ですね。
まずは眼科に行って参ります— 草刈寧々 (@cerisierlion) November 19, 2022
同年代かそれ以下の人たちが「年のせいで体力落ちた」って言うの本当に驚く。
31歳になったけど、私、中学生の時と同じくらい体力も筋力も代謝もある
年齢と言うより、普段の生活かなと思う。 pic.twitter.com/ixqWj5r2ji— じゃくこ (@madison_daisyd) December 1, 2022
ちなみにそれまでスポーツをやってた人が社会人になって急に体力落ちたと感じたり、部活やってた受験生が大学入って体力落ちたと感じるのは、老化ではなくてただ運動不足で筋力が落ちてるだけです。使わなかったらそりゃあ筋力も筋持久力も落ちます。
しっかり維持してればそんな年齢にピークはない!— 星潤@S&D/LiBRA/ミュージカル作ってます (@JUN_star_HOSHI) February 1, 2020
最初の3つの投稿は年齢を重ねることにより体力の低下を実感している人の例です。
この3つ以外にも「体力が落ちた 年齢」で検索すると多くの人が年齢による体力の低下を実感している様子がうかがえます。
一方で、興味深いのは後半の2つの投稿です。
この2つの投稿主は年齢ではなく運動量の低下や生活習慣により体力は落ちるので運動量を保ったり生活習慣を意識することで体力の低下は防げるという趣旨のコメントをしています。
確かに年齢のせいにしてもそこから得られるものはないので、このような前向きなコメントに影響を受けて体力の低下を食い止めていけると良いですね。
次の章では実際に急に体力が落ちたと感じたときにするべきことを紹介していきます。
急な体力が落ちた時の対処法4選
急に体力が落ちたと感じるときに体力を復活させるようなゲームのアイテム的なものは残念ながら存在しません。
しかし、体力が落ちたときの対処法はやった分だけ体力向上という形で返ってきます。
全部で4つ紹介しますが、いきなり4つでなくても1つずつでもOKです。
体力は1日では向上せず、継続することで向上します。いきなり100%頑張ってすぐ挫折するより30%でもコツコツ続けるほうが効果的です。
日常生活の活動量を増やす
急に体力が落ちたと感じる人は
- 運動をやめた
- 通勤で歩かなくなった
- 階段や上り坂を使わなくなった
- 家事が自動化された
- リモート勤務になった
といったことが原因で日常生活の活動量が減少した人が多いです。
1日の中でほんの少しのことかもしれませんが、これが毎日になるとその積み重ねは大きく体力は確実に低下します。
逆に
- 通勤で歩かなくなった分日々の買い物に歩いていく
- リモート勤務になっても起きる時間を変えず、通勤に使っていた時間をウォーキングや体操などに充てる
- 階段や上り坂は積極的に使う
といったように意識して体を動かすと体力は元に戻っていきます。
自分に甘くなるとなかなか出来ないですが、それでも筋トレや有酸素運動をするよりは楽なはずです。
まずは1つでもいいのでやってみましょう。
筋トレをする
先ほどお話しした通り、筋肉は20代を過ぎたころから徐々に減少していきます。
身体を動かす原動力となるのは筋肉なので、筋肉が減れば身体を動かすことが楽でなくなるため疲れやすくなります。
特に体力と関連が高いのは下半身の筋肉です。
下半身の筋肉は立ったり移動したりするときに使われることはもちろん
心臓から流れ出た血液を心臓に戻す働きがあるため全身の血流がよくなり疲労がたまりにくい身体を作ることができます。
下半身を鍛える一番の方法は
スクワット
です。
POINT
- 脚幅を肩幅程度に開き、つま先をやや外に向けます
- お尻を床に近づけるイメージで、お尻が膝と同じ高さになるところまでしゃがみます(難しい人はしゃがめるところまででOK)
- 背筋は伸ばしておきましょう
まずは10回を2セット、週2~3回からやってみましょう。
有酸素運動をする
有酸素運動とは、ある程度長時間持続的に行える運動で
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
- 自転車
- 身体を動かす趣味(ゴルフ、テニスなど)
などがあたります
継続的に体を動かすと安静時より心拍数が上がりますが、これによって全身持久力が鍛えられ息が上がりにくくなるのです。
「心拍数が上がる」と聞くときつい運動を想像してしまうかもしれませんが、きつすぎる強度で行う必要はありません。
「ややきつい」と感じるレベルの強度があれば十分です。
有酸素運動は1回20分~30分程度、週2回から始めてみましょう。
ただ、20分も時間がないという人は5分でも10分でもやらないよりはもちろん良いので、時間と体力の許す範囲でまずは始めてみましょう。
バランスの取れた食事をする
「身体は食べたものでつくられる」といわれるように食生活も体力に大きな影響を与えます。
- 糖質
- 脂質
- タンパク質
- ビタミン
- ミネラル
の五大栄養素が十分に摂れることで身体を動かすエネルギーをつくったり筋肉量を維持したり疲労を回復させたりすることができるのです。
とはいえ、食事に気を遣っていなかった人にとっては「バランスの取れた食事ってどうすればいいの」となってしまうと思います。
そのような人にお勧めなのが
食品数を増やす
ことです。
たとえば、ランチに牛丼を選ぶと食品数は「牛肉、玉ねぎ、米」の3品目です。
これを幕の内弁当にすると「鮭、卵、ちくわ、ごぼう、ひじき、大豆、シイタケ、人参、大根、梅干し、米」と11品目になります。
食品数が増えればより多くの栄養素を網羅できる可能性が高くなるため、この2つを比較すると幕の内弁当のほうが栄養バランスがとれている可能性が高いです。
1日の間でより多くの食品が取れれば意識する前よりバランスが取れた食事ができている可能性が高いので、まずは食品数改革から取り組んでみましょう。
まとめ
体力は加齢に伴い低下したと感じる人が多いですが、それは加齢だけのせいではなく
体力を使っていない期間が年齢を重ねている人ほど長くなる傾向にある
からです。
なので、体力をしっかり使うことをしていれば
急に体力が落ちたとなってしまうことはありません。
そして、体力は何歳からでも付けられますが
落ちれば落ちるほど体力をつけようとすることは大変になる
ので、体力が落ちたと感じる今からつけようとするのが一番楽です。
せっかく体力が落ちたと感じた今をきっかけにして
体力を取り戻して仕事や趣味の活力を上げて人生を豊かにしていきましょう!