この記事の執筆者
スポーツ栄養ライター
nu-bo
大学時代に運動生理学やスポーツ栄養学を専攻。社会人時代にフィットネスクラブや製菓メーカーでの勤務経験あり。競技経験は野球。
現在筋トレを頑張っている人の中には、深夜の時間帯にトレーニングに取り組んでいる人もいるのではないでしょうか。
近年は24時間営業のトレーニングジムが増えてきたこともあり、夜中に筋トレを行う人も珍しくなくなりました。
とはいえ、深夜に食事をしてしまうことで「太ってしまうかも…」と考えている人もいるのではないでしょうか。
今回はそんな人達のためにも、筋トレを行なう際の深夜の食事のとり方などについて解説していきます。
深夜の食事は有り?無し?
現代の日本では、若者を中心に深夜まで起きている人が増えてきています。
深夜まで起きていることで、睡眠時間が削られてしまったり食事の時間が不規則になることも増えてしまうでしょう。
深夜の時間帯に食事を摂取することで、体は消化吸収を続けているものの、食事から摂取したエネルギーは消費されにくいことが分かっているので余計に摂取したエネルギーは脂肪として体に蓄えられてしまうでしょう。
近年の研究や論文でも、「深夜に食べることで太りやすくなる」ことが証明されています。
また、夜遅くに食べることで朝ごはんを食べられないことにも繋がり食生活のリズムは乱れてしまうでしょう。
そうならないためにも、筋トレ後の食事は消化の良い簡単なもので済ませ、トレーニング前と翌朝以降の食事で上手く調整するようにしましょう。
特に寝る直前のしっかりとした食事は厳禁です。もしトレーニング後の深夜に食事をするのであれば就寝2時間前には済ませるようにしましょう。
深夜は食事の吸収率が上がる
皆さんは「深夜に食べると太りやすい」といった言葉を聞いたことはないでしょうか。
人の体の機能というのは夜に消化器官の機能が非常に活発になります。
このことから夜遅くにたくさん食べると栄養素が消化もですが、吸収されやすくなってしまい太りやすくなってしまうのです。
後で後述しますが、もし深夜の時間帯に筋トレのために栄養補給をするのであれば、早い時間のうちに1回目の食事を済ませておき、トレーニング後は消化の良いものを摂取することをおすすめします。
深夜に食事をする際には、脂っこいものや睡眠中に胃腸が休まらない食べ物は避けるようにしましょう。
運動後は栄養が枯渇する
どの運動種目でも共通して言えることですが、運動後は栄養が枯渇してしまいます。
特に筋トレを行うことで、筋肉は破壊されていくことからたんぱく質が大きく失われている状態となります。
運動後に栄養素を補給できないと、ただ筋肉の中のたんぱく質が失われていくだけなのでいくらトレーニングを行なったとしても弱く小さな体になってしまう可能性も考えられるのです。
このことからも分かるように運動後は必ずたんぱく質や炭水化物などを補給するとともに、運動前にも同じような軽い食事を行なうことで筋肉の修復をサポートしてくれるでしょう。
夜中にトレーニングを行う人は、細かい時間で少しずつ栄養補給を行なうのがおすすめですよ。
食事量や栄養素に気をつけて食事を摂る
深夜の時間帯の食事は、いくら筋トレで体を動かしていたとしても、食事量や栄養素には気をつけなければいけません。
筋トレの仕組みとして、筋肉はトレーニングによって刺激された上で破壊されますが、体はそれを元に戻そうと筋肉を修復させようとします。
そして、修復した筋肉は再び破壊されないように今以上に大きく強くなっていきます。
これらの工程の中で、筋肉を修復させようとするタイミングで体全体がたんぱく質を中心とした栄養素を必要とします。
このことから、筋トレを行なった後は深夜であれば一度に多くの食事を摂ることはできませんが、トレーニング後のプロテイン補給やトレーニング前にエネルギー源を摂取するなどの食事の量や栄養素を意識しながら上手く食事を進めていくことが大切です。
深夜の栄養補給はしっかりとした食事を摂るのではなく、たんぱく質を補給する程度や軽い食事に留めておきましょう。
深夜におすすめな食事方法
深夜におすすめな食事方法としては、基本的に深夜は胃腸も睡眠とともに休んでいる時間となります。
このことから、トレーニング後に食事をしてすぐに寝てしまうと、胃腸が無理やり消火活動を行なうため、完全に消化されなかったものが脂肪として蓄えられてしまう可能性も考えられます。
ここからは、栄養を無駄なく効率的に消化吸収するためにおすすめな食事や栄養補給の方法について紹介していきます。
栄養も大切ですが、良質な睡眠をとることもトレーニングを行っていく上では非常に重要です。自分の生活リズムにあった適切な栄養摂取を行なうようにしましょう。
筋トレを行う前に早めのエネルギー補給をしておく
もし、夜遅くに筋トレをする予定がある場合は、夕方などに炭水化物といったエネルギー源を補給しておきましょう。
これは夜遅くにトレーニングを終えて、その後にしっかりとした食事を摂ってすぐに寝てしまうと栄養を溜め込みやすい状態なので、食べたものが完全に消化されずに脂肪に変わってしまう可能性があります。
このことから、栄養が体にしっかりと行き渡らずに脂肪として体に蓄積してしまうことが考えられるため、エネルギーとなる炭水化物は消化が活発である早い時間帯に食べるようにしましょう。
エネルギー源となるおすすめの食べ物には、あんぱんや和菓子などのあんこの入ったものや鮭や納豆巻きといったたんぱく質の具材を含む食べ物を選べば、トレーニング中に分解していく筋肉を支えるためのたんぱく質も一緒に摂ることができるので非常におすすめですよ。
トレーニング終わりすぐにグルタミンを補給する
トレーニングを行ったあとにすぐ食事をしてしまうことで、消化不良を引き起こす可能性が高まってしまいます。
この際に非常におすすめなのが「グルタミン」というサプリメントを摂取することです。
グルタミンには以下のような効果が期待できます。
- 筋肉の分解を抑える働きがある
- 消化機能の効果を高める
- 免疫や筋肉の回復促進
特に胃腸の弱い人は消化不良を引き起こしやすく、下痢などにも繋がりやすいので積極的に摂取することをおすすめします。
脂質の多い食事は避けるようにする
トレーニングが深夜に終わって、その後に脂質の多い食事をしている場合はすぐにやめるようにしましょう。
深夜の時間帯は基本的に睡眠をしている時間となりますが、消化管の機能は絶えず動いています。
そんな状態の時に脂質の多い食事をしてしまっては体が栄養素を多く吸収してしまい脂肪を溜め込んでしまいます。
このことから、深夜帯に食事をする場合は以下のような消化の良いものやあっさりしたものを食べるとよいでしょう。
- おかゆや雑炊
- サラダチキンなどの高タンパク低脂質なもの
- 野菜類
- 味噌汁やスープ
これらはあくまで一例ですが、上記のようなものを選んだ上で食べることができれば消化不良を起こすことも少ないことが考えられるので非常におすすめです。
まとめ
本記事では、深夜に筋トレを行っている人に向けて深夜の時間帯の食事について詳しく解説してきました。
深夜の食事は体が栄養素を吸収しやすくなっていることから、しっかりと食べてしまうことで、体内に脂肪が蓄積されやすくなってしまうでしょう。
反対に栄養素を摂取しないと、破壊された筋肉がうまく回復できずに体がやせ細ってしまうことにもなりかねません。
このような自体を防ぐためにも、深夜帯に筋トレを行う人は早い時間帯にエネルギー源やたんぱく質などの最初の食事を済ませておき、トレーニング後の食事はプロテインと消化の良いもので済ませるといった時間差で食事を行なうことが大切です。
現在筋トレを頑張っている皆さんも、食事計画をしっかりと立てた上で、大きく強い筋肉を育てていきましょう。
深夜に筋トレを行う人は是非栄養補給の方法を参考にしてみて下さい。