この記事の執筆者
パーソナルフィットネストレーナー
向井 ひろみ
フィットネストレーナー歴17年。2021年まで大手フィットネスクラブでパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、フィットネスマネージャーとして勤務後パーソナルトレーナーとして独立。「継続に勝る効果的な運動なし」がモットー。最も効果的な運動ではなくそのお客様が継続できる範囲で最も効果的な運動をご案内することに拘りをもつ。現在は継続率80%超えのパーソナルトレーナーとして自由が丘、川崎にてパーソナルスタジオを運営。
ファスティングで大切なのはファスティング期(断食期)だけでしょうか?いえ、実はファスティング後の食事「回復食」の選び方も大切なのです。
ファスティング後の食事を適当に選んでしまうとせっかく休めた胃腸に負担をかけることになり、内臓を休ませて様々な効果を得るという目的が達成できません。
この記事では回復食を選ぶポイントと具体的なメニューを解説していきます。
ファスティングとは?
ファスティングとは、断食を通じて様々な効果を得る健康法です。
英語の「fast」(断食する、絶食する)を名詞にすると「fasting」となることが呼び名の由来です。
ファスティングは酵素ドリンクなどで必要最低限の栄養素とカロリーを摂取するものの、固形物や内臓に負担のあるものをとらないことで休むことなく動いている内臓を休ませます。
それにより老廃物や毒素の排出をして様々な効果を得ることが目的です。
ファスティングの効果は主に
- デトックスによる美肌効果
- 脂肪燃焼によるダイエット効果
- 内臓機能の向上
- 免疫力の回復
- 腸内環境の改善
- 血液の浄化
- ストレスの軽減
- 活力や集中力のアップ
があげられます。
(出典:ファスティング通信「ファスティングとは?期待できる効果と初心者が知っておきたい基礎知識」https://japan-fasting.or.jp/labo/2022/03/fasting-knowledge/)
ファスティングというと断食することで体重を減らすダイエットのイメージが強いですが、内臓を休ませることはダイエット以外にもこんなにメリットがあるのです。
ファスティングのスケジュールは
- 準備期
- 断食期
- 回復期(今回のテーマ)
という期間に分けて行います。
いきなり断食を始めてしまうと脳が「栄養が足りない」と認識し頭痛や吐き気などの体調不良を引き起こすリスクが高くなるため、準備期で少しずつ断食に身体が適応できるように慣らしていきます。
また、断食直後に高カロリーのものや脂質の高いものを食べると消化器に負担を与えてしまったり、血糖値の急上昇を招いて脂肪を合成しやすくなってしまいます。そのため、回復期の食事は徐々に通常に戻す「回復食」にする必要があります。
次の章では「回復食」についてさらに詳しく説明します。
回復食とは?
回復食とは、断食期~通常の食事に戻す期間に徐々に胃腸を慣らしていくために摂る食事のことです。
回復食を挟まないでいきなり通常の食事に戻してしまうと
- 胃腸に強い負担がかかりデトックス効果が維持できなくなる
- 血糖値の急上昇を招いて脂肪を合成しやすくなるためリバウンドしてしまう
といったデメリットが発生します。
せっかくファスティングを頑張ったのに回復食を適当に済ませて台無しにすることがないよう、正しい回復食の摂り方を知っておきましょう。
次の章では回復食の選び方を紹介します。
回復食の選び方
ファスティングを成功に近づけるための回復食を選ぶポイントは
- 胃腸に負担が少ないものを選び、徐々に液体から固体にシフトする
- 動物性のタンパク質や脂質を避ける
- 食品添加物を避ける
の3点です。
それぞれ細かく見ていきましょう。
胃腸に負担が少ないものを選び、徐々に液体から固体にシフトする
ファスティング期は液体のみを摂取するため、いきなり固形のものを摂ると胃腸に負担をかけてしまいます。
回復食の序盤は
- おもゆ(水分を多くして炊いたおかゆの上澄み液)
- おかゆ
- スープ
- スムージー
などの液体状のものを中心に食べ、徐々に胃腸に優しい固形物を取り入れるようにしていきましょう。
動物性のタンパク質や脂質を避ける
動物性のタンパク質や脂質は消化に非常に時間がかかるため、胃腸に負担がかかりファスティング効果に悪い影響が出やすいです。
動物性のタンパク質や脂質が多い食品は
- 肉
- 魚
- 卵
- 乳製品
です。
早く食べたい気持ちはわかりますが、回復食で胃腸を慣らして通常の食事に戻ってから食べるようにしましょう。
食品添加物を避ける
食品添加物は体内で消化や吸収がしにくいため、毒素としてたまっていきやすいです。
具体的には
-
- 化学調味料
- 合成着色料
- 遺伝子組み換え食品
- 人工甘味料
- トランス脂肪酸
が挙げられます。
これらの成分が入っていない天然のものを選ぶことを意識しましょう。
何かを変えることは身体にとってはストレスということです。
ファスティングはもちろん身体を良くするためのストレスなのですが、急なストレスにならないよう十分に身体(胃腸)をいたわってあげましょう。
回復食メニュー5選
ファスティングの回復食はどういったメニューがあるのでしょうか。
SNSを参考に具体的なメニューを見ていきましょう。
おもゆ
おもゆは水分を多くして炊いたおかゆの上澄み液で、ほぼ液体のため回復食の始めに最適なメニューです。
投稿者も言っているとおり、普段食べてもなにも感じないでしょうがファスティングで味覚が研ぎ澄まされているときはお米の甘さを感じることができます。
具なしお味噌汁
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回復食の初日は液体中心がオススメのため、お味噌汁も具なしです。
ファスティング後は味覚が敏感になっているため、味付けは薄目がオススメです。
回復食2日目であればもちろん胃腸に負担をかけない食材(オススメメニューの5つ目で紹介している「まごわやさしい」食材)を具に入れていただいてかまいません。
玄米がゆ
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おかゆは液体と固体が混じっているため、徐々に固体に慣れさせていくために最適な食事です。
回復期の初日の夕食~2日目の昼食の間におすすめです。
また、玄米はビタミンB群など栄養素が豊富なため、多くの食品を摂ることができない回復食初期のおかゆは白米より玄米がオススメです。
オートミールレシピ
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オートミールは食物繊維が豊富で、食後の血糖値がお米やパン、うどんといった他の主食よりも上がりにくい食べ物です。
また、水分を加えることで膨張するため、少量であっても満腹感を得やすいことも特徴です。
そのため、ファスティング後の空腹状態の回復期に適した食事と言えますね。
まごわやさしい食
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復食も後半になってくると、徐々に通常の食事に近い食事にしていくことが大切です。
まごわやさしい食とは
- 「ま」豆類(大豆、納豆、豆腐)
- 「ご」ごま(ゴマ、ナッツ)
- 「わ」わかめなど海藻類
- 「や」野菜
- (「さ」魚※ファスティング中は控える)
- 「し」しいたけなどきのこ類
- 「い」いも類
の頭文字をとったもので、優れた健康食と言われており、通常期に戻す直前の食事としてオススメです。
また、回復食としてではなく通常の食事もこれらの食材を中心に摂ることができれば普段から胃腸に負担をかけにくい食事にすることができます。
まとめ
回復食の重要性と選ぶポイント、具体的な回復食の例を紹介しました。
ツラいファスティング期が終了すると一息ついてしまいそうですが、回復期までがファスティングです。
「回復期を制するものはファスティングを制す」
せっかく休めた胃腸に負担をかけぬよう、回復食のメニュー選びもこだわっていきましょう。